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レベル別カスタマイズ可能
プロンプトサンプル集

【コンテンツ重視版】

はじめに

目的

  • レベル別にすぐ試せる実践的なプロンプト例を提供
  • 構成・有効性・カスタマイズ方法の解説で理解を促進
  • プロンプト自作・改善スキル向上を支援

活用方法

  1. 試す: 自分のレベルに合ったサンプルをコピー&ペーストしてLLMで実行
  2. 理解: 解説(ポイント、構成)を読んで仕組みを理解
  3. 応用: カスタマイズヒントを参考に [変更箇所] を変えて自分用に調整

初級編:基本のプロンプト

対象者: LLM初心者 / 基本的な書き方を学びたい方 / 簡単な指示から試したい方

明確な指示、役割設定、出力形式指定の基本を学びます。

初級プロンプトの特徴
  • 簡潔で明確な指示
  • シンプルな構造
  • 基本的な出力形式の指定
  • 最小限のカスタマイズポイント
明確な指示 役割設定 出力形式 制約条件

サンプル1:シンプル要約

推奨利用シーン: 長文把握、議事録要点まとめ

# 指示 以下の文章を[3]文で要約してください。 # 文章 [ここに要約したい文章を貼り付ける] # 出力形式 * 要点1: ... * 要点2: ... * 要点3: ...
構成: 指示、入力データ、出力形式
ポイント:
  • 明確な指示: 「要約」という具体的なアクション
  • 制約条件:[3]文で」と量を指定
  • 形式指定: 箇条書きで出力
カスタマイズ:
  • [3] を変更(例: 「100文字以内」「5つのポイントで」)
  • 視点を追加(例: 「初心者向けに」)
  • [文章] に実際のテキストやURLを入力

サンプル2:役割設定でアイデア出し

推奨利用シーン: 企画アイデア出し、多角的視点の導入

# 役割設定 あなたは経験豊富な[Webマーケター]です。 # 指示 [若者向けの新しいエコバッグ]のプロモーションアイデアを[5つ]、斬新で話題になるように提案してください。 # 制約条件 * ターゲット層を意識 * オンライン施策中心 * 各アイデアに簡単な説明を追加
構成: 役割設定、指示、制約条件
ポイント:
  • 役割設定: 特定の立場からの回答を引き出す
  • 具体性: テーマ「若者向けの新しいエコバッグ」を明確化
  • 制約条件: アイデアの方向性を絞る
カスタマイズ:
  • [Webマーケター] を変更(例: 「イベントプランナー」)
  • [若者向けの新しいエコバッグ] を変更
  • [5つ] の数を調整
  • 制約条件を追加・変更

サンプル3:箇条書きで整理

推奨利用シーン: メリット・デメリット比較、情報整理

# 指示 [テレワーク導入]のメリットとデメリットをそれぞれ[3つ以上]挙げてください。 # 出力形式 ## メリット * [メリット1] * ... ## デメリット * [デメリット1] * ...
構成: 指示、出力形式
ポイント:
  • 明確な指示: 何について(テーマ)、何を知りたいか(メリデメ)が明確
  • 構造化出力: 見出しと箇条書きで見やすく整理
  • 量指定:[3つ以上]」で網羅性を確保
カスタマイズ:
  • [テレワーク導入] を変更(例: 「新システム導入」)
  • [3つ以上] の数を調整(例: 「主なものを3つ」)
  • 出力形式を「表形式で」などに変更可能

中級編:応用テクニック

対象者: 基本を理解した方 / Few-Shot, CoTを試したい方 / 複雑な指示を学びたい方

Few-Shot(例示)やCoT(思考プロセス)を活用し、応答の質を高めます。

中級プロンプトの特徴
  • 例示(Few-Shot)による具体的な指示
  • 思考プロセス(CoT)の引き出し
  • 詳細な文脈設定
  • 複数の要素を組み合わせた構造
Few-Shot Chain of Thought (CoT) 文脈設定 詳細なカスタマイズ

サンプル1:Few-Shotでスタイル模倣

推奨利用シーン: 特定の文体での文章作成、広告コピー作成

# 指示 以下の例を参考に、[オーガニック化粧水]のキャッチコピーを[3つ]作成してください。ターゲットは[30代の働く女性]です。 # 例 (Few-Shot) 例1: 商品: 高性能イヤホン / コピー: 「日常に、静寂と高音質を。」 例2: 商品: 抹茶大福 / コピー: 「ほろ苦さと、とろける甘さ。至福のひとときを。」 例3: 商品: プログラミング教室 / コピー: 「未来を創る力を、遊びながら。」 # 作成対象 商品: [オーガニック化粧水] ターゲット: [30代の働く女性] # 出力形式 1. [コピー1] 2. [コピー2] 3. [コピー3]
構成: 指示、例 (Few-Shot)、作成対象、出力形式
ポイント:
  • Few-Shot: 具体例で期待する出力スタイルを学習させる
  • 文脈提供: 例を通じてトーン&マナーを示す
  • 具体性: 対象商品とターゲットを明確化
カスタマイズ:
  • [オーガニック化粧水] [30代の働く女性] を変更
  • [3つ] の数を調整
  • 「# 例」を理想に近い例文に入れ替え。例の数を増減

サンプル2:CoTで理由説明

推奨利用シーン: 提案根拠の説明、複雑な問題解決の思考

# 指示 あなたはマーケコンサルタントです。[新製品のプロモーション]として[インフルエンサーマーケティング]を採用すべきか、以下の考慮事項を踏まえ、ステップバイステップで結論と理由を説明してください。 # 考慮事項 * 製品: [高性能スマートウォッチ] * ターゲット: [健康意識の高い20-40代男女] * 予算: [中程度] * 目的: [初期認知度向上と信頼獲得] # 出力形式 (CoT指示) 思考プロセスを段階的に示してください(例: 1.目的確認 → 2.メリデメ → 3.他施策比較 → 4.予算整合性 → 5.結論 → 6.理由要約)。
構成: 指示、考慮事項(文脈)、出力形式(CoT指示)
ポイント:
  • CoT: 最終結論だけでなく、思考ステップを示すよう促す
  • 文脈提供: 具体的な状況(考慮事項)で分析精度向上
  • 段階的思考: ステップ例で思考プロセスをガイド
カスタマイズ:
  • [角括弧] 内の課題、状況、製品、ターゲット等を変更
  • 思考ステップ例を内容に合わせて変更・追加・削除

サンプル3:文脈指定でメール作成

推奨利用シーン: 状況に応じたビジネスメール作成(謝罪、依頼、お礼等)

# 役割設定 あなたは[顧客サポート担当者]です。 # 文脈 * 状況: [納品商品に不備があり顧客からクレーム] (相手: [株式会社〇〇 △△様], 重要顧客) * 問題: [商品の型番間違い] * 対応: [正しい商品を本日発送手配済み] * 伝えたいこと: 謝罪、原因説明(簡潔に)、対応策、今後の防止策 # 指示 上記文脈に基づき、[△△様]宛の丁寧な謝罪メールを作成してください。 # トーン&マナー 誠意が伝わる丁寧かつ真摯な言葉遣い。相手への配慮。 # 出力形式 件名: [件名] 本文: [本文]
構成: 役割設定、文脈、指示、トーン&マナー、出力形式
ポイント:
  • 豊富な文脈: 詳細な状況設定で、適切で人間らしい文章生成
  • トーン指定: 求める文章の雰囲気を明確化
  • 明確なゴール: 「謝罪メール作成」と出力内容を指示
カスタマイズ:
  • [角括弧] 内の情報を実際の状況に合わせて具体的に記述
  • トーン&マナーを変更(例: 「迅速さを強調」)
  • 謝罪以外のメールも同様に「文脈」を詳細に設定

上級編:プロンプト設計と業務最適化

対象者: 特定業務でLLMを最大限活用したい方 / プロンプト設計・最適化スキルを磨きたい方 / フレームワークやPrompt Chainingに興味がある方

フレームワーク活用や複数プロンプト連携(Prompt Chaining)の考え方で、複雑なタスクに対応します。

上級プロンプトの特徴
  • フレームワーク(CRISPE等)の活用
  • 複数ステップ(Prompt Chaining)による複雑タスク処理
  • 詳細なペルソナ設定によるターゲット特化
  • 業務プロセスへの統合を意識した設計
フレームワーク Prompt Chaining ペルソナ設定 業務最適化 CRISPE

サンプル1:CRISPEフレームワーク活用(記事構成案)

推奨利用シーン: 高品質なブログ記事構成案作成、網羅的・論理的な構成作成

# フレームワーク指示 (CRISPE) あなたはプロの[コンテンツマーケター]です。CRISPEに基づき、以下のテーマのブログ記事構成案を作成してください。 * CR (Role): [経験豊富なコンテンツマーケター]。読者に[実践的ノウハウを提供]。 * I (Insight): * 読者: [中小企業のWeb担当者、マーケ初心者] * 悩み: [SEO、何から?難しい] * 目的: [SEO基本と考え方、実践ステップ理解] * 差別化: [専門用語避け、図解・具体例多く] * S (Statement): 「[初心者向けSEO入門:最初にやるべき5つのこと]」の記事構成案を作成。 * P (Personality): [親しみやすく、信頼性のある]トーン。読者に語りかける文体。 * E (Experiment): 以下の形式で出力。各見出しに内容ポイントを2~3個記述。 # 出力形式 ## タイトル案: 初心者向けSEO入門:最初にやるべき5つのこと ## 1. はじめに (共感, 解決策提示, 構成) ## 2. ステップ1: [キーワード選定の基本] (Point1, Point2, ...) ... (中略) ... ## 7. まとめ (振り返り, 次のアクション, 励まし)
構成: フレームワーク指示(CRISPE各要素)、出力形式
ポイント:
  • フレームワーク活用: CRISPEで指示要素を網羅し、思考を構造化
  • Insight(背景情報): 詳細な文脈で読者ニーズに合った構成案に
  • Experiment(出力形式): 具体的な形式指定で期待通りの出力を得る
カスタマイズ:
  • CRISPEの [角括弧] 内情報を、作成したい記事に合わせて変更
  • [コンテンツマーケター] の役割を変更
  • 他のフレームワーク(例: RISE)に合わせて再構成
  • 出力形式の見出しやポイント数を調整

サンプル2:Prompt Chaining(リサーチ→分析→骨子)

推奨利用シーン: 情報収集から分析、報告書構成までの一連作業、複雑タスクの段階的処理

考え方: 複雑なタスクをステップに分割。各ステップを個別プロンプトで実行し、出力を次への入力とするのが本来のPrompt Chaining。ここでは1プロンプト内で擬似体験。

# 全体指示 あなたは[市場調査アナリスト]です。以下のステップで、[スマート農業技術の最新動向]に関する調査レポート骨子を作成してください。 # ステップ1: 情報収集 (擬似) [スマート農業技術]の主要トレンド/技術を[5つ]挙げ、簡単に説明。(LLM知識ベースから) # ステップ2: 重要性分析 ステップ1から、[日本の中小規模農家]に重要と思われるものを[3つ]選び、理由を説明。 # ステップ3: レポート骨子作成 ステップ2の3技術を中心に、以下の構成でレポート骨子(目次案)を作成し、各項目の内容を簡単に説明。 1. はじめに (目的, 対象, 背景) ... (中略) ... 4. まとめ (要約, 提言) # 出力指示 ステップ1, 2, 3の結果を順に示してください。
構成: 全体指示、ステップ指示(段階的処理)、出力指示
ポイント:
  • Prompt Chaining: タスクをサブタスク(ステップ)に分割し、段階的に処理
  • 段階的思考: 情報整理と論理的な結論導出を支援
  • 文脈引き継ぎ: 前ステップの結果を次ステップで利用する構造
カスタマイズ:
  • [角括弧] 内のテーマ、役割、分析視点、構成等を変更
  • 本格的なChainingでは、各ステップを個別プロンプトにし、出力を次へコピペ
  • 各ステップ指示を具体化、制約追加で精度向上

サンプル3:ターゲット特化アイデア出し

推奨利用シーン: 詳細ペルソナに基づいた具体的マーケ施策のブレスト

# 役割設定 あなたは[経験豊富なグロースハッカー] ([BtoB SaaS企業]所属)。 # ペルソナ情報 (文脈) * 氏名: 田中 一郎(仮) / 役職: [中小企業の経理部長] / 年齢: [45歳] / 業界: [製造業] * 課題: [請求書処理時間過多, 手作業ミス多い, 新システム導入不安...] * 情報源: [業界ニュースサイト, 展示会, 同業者紹介] * 利用ツール: [Excel, 古い会計ソフト] * ゴール: [経理業務効率化, ミス削減, 月次決算早期化] # 提供製品 * 製品: [クラウド型請求書発行システム「クイック請求」](仮称) * 特徴: [AI-OCR自動入力, ワークフロー, 会計ソフト連携, 低価格] # 指示 上記ペルソナ「田中部長」に「クイック請求」を認知・興味喚起させる具体的マーケ施策アイデアを[最低7つ]提案してください... # 出力形式 1. **施策名:** [施策名1] / **概要:** [説明] / **理由:** [なぜ響くか] 2. **施策名:** ... (7つ以上)
構成: 役割設定、ペルソナ情報(詳細文脈)、提供製品、指示、出力形式
ポイント:
  • 詳細ペルソナ: 具体的な人物像設定で、ターゲット視点のアイデア生成を促進
  • 課題/ゴール明確化: ペルソナの課題解決につながる施策発想を支援
  • 情報源考慮: 効果的なアプローチチャネル特定に役立つ
カスタマイズ:
  • [角括弧] 内の役割、ペルソナ(詳細に!)、製品情報を自社ビジネスに合わせる
  • アイデア数 [最低7つ] や種類(例: 「オンライン限定」)などの制約追加
  • 複数ペルソナを設定し、それぞれに合わせた施策を検討可能

おわりに

このサンプル集で紹介したプロンプトを、ぜひ試してみてください。

  1. 試す: コピペしてLLMで実行。
  2. 理解: 解説で仕組みを知る。
  3. 応用: 自分用にカスタマイズ。

プロンプトは試行錯誤と継続的な学習が鍵です。このサンプル集が、あなたのAI活用の一助となれば幸いです。

より生産的なAIとの対話を楽しんでください!